馬鹿か大物か?




銀河とルチャ−ドが4組の説得に簡単に成功したその頃、ロンメルと村崎も六組を説得するために動いていた
ロンメルは6組の教室の後の入り口の扉を蹴破って、中に入った。村崎もそれに続いて、中に入る
勿論6組の生徒達の視線は、突然扉を蹴破って入ってきた男二人に釘付けとなる
しかしその視線を全く気にせずに、ロンメルは6組の生徒達に向かって叫んだ
「私の名はコンラッド・ロンメル、1−5のリーダーだ。1−6のリーダーに話があってきた。リーダーは誰だ?」
突然の来訪者が隣のクラスのリーダーだと分かり、教室内は騒めく
だが、そんな中一人の男が、ロンメル近づいてきた。どうやら、このクラスのリーダーのようだ
剣道部や柔道部にでも入っていそうなほど、しっかりした体つきをしている
身長はロンメルの方がやや高いが、肉付きでは彼の方が上である
「私がこのクラスのリーダー、赤城眞夜だ。私に話とは、どのような事だ?」
流石にリーダーだけあって、落ち付いた物言いをする。突然扉を蹴破ってきた来訪者にも、物怖じしていない
だがその点に関しては、ロンメルも同じである。敵の真っ直中でも、まったく動揺したり、脅えたりという事がない
「説得にきた。私の傘下に入れ」
「『傘下に入れ』、だと・・・・・・?どんな話かと思えば、そんな下らん事か・・・・・・・第一、お前の傘下に入って私・・・・・・・いや、我々に何の益があるのだ?」
「優勝を、共に味わう事が出来る。どうだ、十分な利益だろう?」
「優勝とは大胆な奴だな。では、私が拒否すればどうなるのだ?」
「その時は、不名誉な脱落が待つのみだ。無論、私達以外のここにいる全員がな・・・・・・・・」
そう言ったロンメルの眼に、なんとも言い表わし難い光が宿る。赤城以外の6組の生徒達は、ロンメルの鋭い眼光に恐怖を覚えた
だが流石はリーダーを任されているだけあって、赤城は全然恐怖を感じていないようである。逆に楽しそうに、笑い声を上げて笑った
「ハハハ、ここの全員を脱落にするか。口から出任せならば、大法螺吹きだが、本気で言っているならば、馬鹿か、それとも大物か・・・・・・・・・どちらにせよ、気に入った。良いだろう。6組はこれより、お前の傘下に入ろう。皆、異存はないな?」
赤城はそう言って、回りの生徒達を見回す。生徒達はロンメルに少し脅えながらも、赤城の問いに対して頷く事で答えた
「と、言う事だ。これから、よろしく頼む。優勝を共に味わえる事を、大いに期待している」
赤城はそう言って、右手を差し出す。ロンメルは、その手を強く握る
ここに、4組に続いて6組が、5組の軍門に下る事となった
これで5組の総生徒数は、30人弱。これは平常時のクラスの生徒数より、少し少ないぐらいである
一つの集団としてはなかなかの数だが、全校生徒二千人以上というのを考えれば、まだまだ少ない
ロンメルはその事を考慮し、一度クラスに戻って作戦を立てることにした
6組の元リーダーである赤城と村崎のみを連れて戻り、残りは6組の教室に待機するように命じた・・・・・・・・・



ロンメルは赤城と村崎を伴なって、自教室であり本部である、5組の教室に入った。そしてそこで、異様な光景を見る事となる
教室の教卓の前に立つルチャード。勿論、傍らには僕が立っている
そして二人の前には、5組の生徒と、ルチャードが説得してきた4組の生徒達が居並ぶ
生徒達は皆右手を上げ、踵を揃えてナチス式の敬礼をしながら、口々に『ハイル・ルチャ-ド!!』、『ジーク・5組!!』と叫んでいる
その光景は、まさにナチス党の党員大会。ガンダムならば、ギレンの演説であろうw
流石のロンメルも、これには言葉を失い、唖然とした。この時ほど呆気にとられた事は、彼の人生では恐らくないだろう
「お前も相当変わっていると思ったが、お前の部下達はもっと変わり者らしいな」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
ロンメルは赤城の言葉に答えず。無言で、ルチャ-ドと僕の方に近づいてきた
それに気付いた僕は、少し興奮気味に声をかける
「あっ、ロンさん。見て下さい。説得は、完璧に成功しましたよ!!」
「ロンメルさん、ロンメルさん。ルチ、頑張ったですよ〜♪」
教卓の前で、はしゃぐ二人。だが、ロンメルの顔は険しい
「そうか、それは良かったな・・・・・・・・ところでこれは何の騒ぎだ?」
ロンメルはナチス式敬礼をしながら叫び続けている生徒達を睨みながら、二人に訊く。口調は優しいが、静かな怒りを感じる
「えっ?ええっと・・・・・・・何のって言われると、答えにくいんですが・・・・・・・強いて言うなら、ルチャードさんと4組との交流会・・・・・・です・・・・・・」
僕は少しビビリながらも、そう答えた。ロンメルは僕を険しい表情で一瞥してから、視線を、叫び続ける生徒の方に戻した
そして、さっきと同じ口調で話す
「ほう、交流会か・・・・・・・それで、こんな馬鹿騒ぎをしている訳だな?そうか・・・・・・・・なるほど、なるほど・・・・・・・・・・」
ロンメルはそう言いながら、何度か小さく頷いた。そして僕の方をまた向いて、言葉を続ける
「銀河、これからここで作戦会議を開く。だからこの馬鹿騒ぎを止めて、4組のリーダー以外は全員移動させてはくれないか?それとも、体育館で交流会を楽しむ方がいいかな?」
僕を見るロンメルの瞳には、明らかに妖しい光が宿っていた。僕は慌てて、首を横に降る
「とんでもない、すぐに解散させます!!」
僕はそう言うと、無意識に背筋をピンと伸ばして敬礼した
それから叫び続けている4組と5組の生徒達に、移動するように言った
生徒達は、最初渋った。だが、ルチャードがお願いするとすぐに、移動を開始した・・・・・・・・・



生徒達がいなくなった部屋で、机を円卓状に並べ、会社の会議室のようなレイアウトにする
そしてそこに、ロンメル、村崎、ルチャード、銀河、赤城、関口の6人が、顔を突き合せるように座る
彼等は、言うなれば指揮官である。戦国時代なら、武将。軍隊ならば、士官である
つまり、生徒達を小規模な戦闘集団に分けた時、その指揮を採る人物達であるわけだ
そんな彼等が、今後の戦略について話し合う。小規模だが、重要な会議が始まろうとしていた・・・・・・・・・

【同盟&滅亡】 1−5、1−6を吸収合併 6組リーダー 赤城眞夜のリーダー権消滅

『続く』

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